3日目 報告 GYGワークショップ
GYG(グローバル・ヤング・グリーンズ)ワークショップに参加しました。
このワークショップでは、4つほどのグループに別れ、いくつかの議題を話し合いました。このセッションは、通訳さんなしでの参加となったため、周囲はオール英語の中で拙い英語力をフル回転させて臨みました。 私達のグループはコミュニケーションの方法についてを話し合いました。メンバーは、ほぼヨーロッパのヤンググリーンズで、アジアからは私とマレーシアの方が参加していました。私は「英語が少ししかできません」と拙い英語で伝えたところで、「大丈夫、もし発言が早すぎたら伝えてください」と議長役の人が笑顔で返しました(しかし、その上で理解できた箇所は全体の5パーセントほどだと思います)。コミュニケーションの方法としてはフェイスブックが上がり、若い男性がそれ以外のコミュニケーションツールを自分のiPhoneを全体に見せて説明しているようでした。 自分の意見をはっきりと堂々と伝える姿をみて、ヨーロッパのヤンググリーンズはみな面識がある人たちで固まっているのかなと思って参加していましたが、話を聞いているとどうやら皆が皆知り合いというわけでもないようでした(むしろ知らない人が多い?)。仮に私が英語を流暢に話せたとしても、同様の凛とした態度では臨めないかもしれません。日常的に活動をして、議論をしている他国のヤンググリーンズとの蓄積の差を強く痛感しました。日本においても、他国のヤンググリーンズのような試みがもっと根付いていけばよいと思います。(菅谷佳祐)
参考 ヤンググリーンズのHP
2日目 報告 香川県高松市議の太田あゆみさん
3月31日、大会2日目。午前は気候変動の全体会、比例代表制の分科会に参加、午後は女性政治家の分科会へ。自分の議会の議員構成を話すと、みんな驚いていた。80歳近いのに議員なの?女性は7人しかいないの?どうしてそんなに年齢層が高いの?と。日本では至って平均的な議員構成だが、世界ではまったくもって不思議らしい。普段、「議会の常識は世間の非常識」とよく言うが、「日本の常識は世界の非常識」であることを改めて突き付けられた。また、子育てをしながらの議員活動についても、「あなたが先頭になって変えていけばいいのよ。社会は必ず変わるわ、女性の力で。」と力強いエールを送られた。夕方は核エネルギー分科会にて、園田さんの話は胸が締め付けられる思いだった。何も終わっていないし、何も始まっていない、メッキの剥がれかけた日本という国の本当の姿が世界に正しい情報として伝わることを願わずにはいられない。夜はキプロスとアイルランドから平和構築の分科会。その後、世界の自治体議員とテーブルを囲んで夕食をとったあと、ビートルズナイトを楽しんだ。
2日目 分科会報告 貿易セッション 長谷川羽衣子共同代表が発言(本人より報告)
速報として写真を中心に掲載します。
参加者
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Reinhard Bütikofer (Germany) ヨーロッパグリーンズの共同代表
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Richard Di Natale (Australia)
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Tanoh GyeKye (Ghana)
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Uiko Hasegawa (Japan)
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Caroline Lucas (UK)
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Elizabeth May (Canada) と各国のそうそうたるメンバーでした。
昨日は日本のグローバル・グリーンズ派遣団にとって最大のイベントである、核のセッションと貿易に関するディスカッションを無事終えることができました。
貿易のディスカッションは、イギリス、カナダ、オーストラリア、ドイツの国会議員/元国会議員と、ガーナ(非政府組織代表)、そして私、というメンバーがパネラーとして登壇しました。
国会議員が4人、そのうち3人はネイティブなので、猛烈な勢いで議論が進み、通訳の方も私もついて行くのに苦しみました。保護貿易か自由貿易か、貿易と環境は矛盾しないか、貿易協定は肯定できるのか、TPPやNAFTA、GATTに対する評価など、議論は多岐に渡りました。何とか、日本の貿易に関する歴史的教訓をお話しし、トランプ流の保護貿易にはもちろん反対だが、歴史的に見て先進国は強い保護貿易政策のもとで経済発展をとげた事実を踏まえ、途上国に自由貿易を強制するべきではないこと、公正で適切に規制されたフェアな貿易を求めるべきことを主張しました。そして、そのための具体的な手段、国際的な税、条約、規制などの導入が必要だと訴えました。最初はスピーチの予定だったのに、数日前にディスカッションに変更、さらに話す内容についても前日に修正が来たり、猛烈なスピードについて行くのに必死で発言回数は多くありませんでしたが、貿易について学び、こちらの考えを伝える良い機会でした。
Thank you.ロナルド・トランプは敵か?味方か?私たちは、保護主義に回帰するべきか?確かに、行き過ぎた自由貿易は地球環境に対する害悪であった。しかし、トランプ氏は温暖化対策を否定し、富裕層の蓄財のための政策を加速し、米国内でも環境破壊の悪化を加速しようとしている。トランプ流の保護主義は行き過ぎた自由貿易と同様、地球環境への脅威である。緑の党は、保護貿易主義にも、行き過ぎた貿易の自由化にも反対するべきである。私たちが目指すのは適切に規制されたフェアでオープンな国際貿易だ。私たち日本の歴史的教訓はどのようなものか?
それは、戦後の自由貿易にともなう高度経済成長と、その背後で悪化した労働条件、過労死や自殺をもたらす過酷な労働条件と、公害問題、すなわち、水俣やイタイイタイ病や大気汚染であった。きわめつけは、福島の事故である。今でも、その負の遺産に苦しむ被害者が少なくない。私たちは、貧困の除去と、人間の開発に賛成である。しかし、発展途上世界は、日本と全く同じ道をたどる必要はない。では、何が求められているのか。第1に、フェアな貿易である。先進国は、途上国の製品を受け入れ、開発を手助けする。これはいかなる経済援助にも勝るものである。ただし、生産国の環境と、労働条件の保護、そのための規制を普及させることが、前提条件である。第2に、技術と知識の移転である。公害対策技術と、環境政策に関する知識の、移転である。日本からの人材の派遣と、外国からの人材の受け入れを、ともに進めてゆく。では、私たちが共にとりくむべき、開発と貿易と環境保護のための政策とは何か? 第1に、税金である。国際的な炭素税や輸送燃料税によって、気候変動と、過剰な商品流通を抑えるとともに、ローカルの資源・商品の循環を促進する。第2に、国際資本移動のリスクの制御と、グローバルな分配公平性の実現である。国際金融取引税すなわちトービン税を実現させよう。
第3に、有害な商品や物質の貿易規制である。水銀の輸出入を規制する国際条約「水銀に関する水俣条約」に各国が批准することや、原子力技術の輸出入の禁止、そして何より兵器貿易の禁止である。第4に、グローバル・コモンズの保護である。漁業資源や野生動植物の保護である。日本はこの点に関して責任がおおきい。寿司が大好きな日本人は、世界でもっともたくさん、魚を食べている。しかも、寿司のおいしさを世界に広めることで、海洋漁業資源にさらなるプレッシャーをかけている。マグロやウナギ、それにクジラの保護についても責任が大きいことを、認識している。こうした問題について、私たちグリーンズジャパンは、解決のために、日本国内でまず声を発してゆく。世界中からも、声を上げてほしい。貿易というテーマにこそ、様々な問題が集約されている。国境を越えた連帯が可能な、緑の党が、力を発揮すべきフィールドだと思う。エコでフェアな貿易を実現するため、力を合わせよう。
どうもありがとう
2日目 分科会報告 核セッション
2日目午後に開催された核セッションは、日本の足立力也(国際部)がコーディネータをつとめました。福島原発事故を描いた映画「太陽の蓋」の予告編上映ののち、福島から原発事故のためにイギリスに避難した園田美都子さんの貴重な体験談と日本の原発事故後の状況報告。そしてポルトガルの現状報告がありました。その後、台湾から原発を撤退させた元気の出るお話を皮切りに韓国など各国からの報告が行われました。
韓国の女性リーダーからはパクウネ大統領の辞任の日であること、パクウネ大統領が大幅な原発新規計画を表明していたこと。彼女の父パク氏が原発政策を始めたこと、早急に脱原発を果たしたいとの表明がされました。
また、USAからは「トランプ氏はさまざまな業界とのからみがあるので先行きが見えない」との報告もありました。
最後に足立より核なき社会に向けた緊急決議案の上程が提案され、文面についての意見交換ののち、作業部会にて作業して上程することが決まりました。
写真上は報告をする原発避難者の園田さん。写真中はコーディネーターの足立(中央)写真下はポルトガルの報告者。
長谷川平和共同代表からの報告
2日目の夕方には緑の党が主催するセッション「Peace and Security without Nuclear Power」が開催された。アジアパシフィック緑の党連盟の運営委員を務める足立力也さんが司会をつとめた。スピーカーは、日本サイドからは園田みつこさん。彼女は6年前の福島原発事故の後、8歳の子供ともに福島から英国に非難してきた人物だ。もう一人はポルトガル緑の党からビクトル・カバコさんが登壇した。 セッションの冒頭に、元緑の党グリーンズジャパンの国際部長、現在は民進党菅元総理の秘書をしている郡山まさやさんが映画「太陽の蓋」の紹介をおこなった。ビジュアルに当時の官邸の様子を緊迫感のある映像で伝える映画で、次の日にユースホテルの一室を借りて上映会も企画した。 園田みつこさんは、福島第一原発事故が起きた当時の緊迫した状況、当事者としての葛藤、放射能汚染に関する不確実な情報や、そして不誠実な御用学者の対応などを紹介した。 ポルトガル緑の党のカバコさんはポルトガル、そして隣国スペインの原子力事情や、原発建設に伴っておきた社会運動と成果などを紹介した。 その後、韓国、台湾、原発大国ロシアを接するリトアニア、インドネシア、米国などから自国の原子力発電に関する現状が紹介され、活発な意見交換が行われた。核・原子力に対しては、各国の緑の党がグローバルネットワークを活かして取り組むことのできるテーマであり、今後も協力してこの問題に取り組んでいくことが確認された。
2日目 ROBO-EVENT(ロボットと人工知能)
日本でも話題になっている人工知能について、ヨーロッパ議会の議員さんを含めて議論するセッションでした。人工知能については概ねポジティブな見通しを持っている人が多かったです。例えば、ロボットは、高齢化社会における介護要員不足を解消することができるし、障がい者の自立を補助するための手段にもなるなどの意見がありました。た
だし、ロボットや人工知能は、富の偏在や失業などの負の側面もあるので、規制や再分配が必要であるとの意見がありました。今の世の中に蔓延する経済格差を解消するには再分配が必要であることは間違いないと思うのですが、それをどうやって実現するのかについては誰も言及しておらず、やはりこの点が大きな課題だと思います。あと、ロボットのための「人工的な生態系(artificial ecosystem)」という用語が出てきましたが、ロボットが増えたときにそれらを動かすために多量のエネルギーが必要であり、エネルギー問題として危惧されていることが分かりました。(田村 誠)