Global Greens 2017 in Liverpool 日本派遣団ブログ

第四回Global Greens Congress in Liverpool 日本派遣団のブログです。

Global Greens Congress 2017 in Liverpool日本派遣団ブログ

2日目 分科会報告 農業の転換(Agriculture Transformation Global Perspective )

このプレナリーでは、EUの農業政策、自由貿易の世界的影響、優れた食料と公衆衛生政策の実施に取り組むと共に、大手多国籍企業による種子市場の集中と独占の問題についての議論が中心である。例えばスウェーデンは大規模業者の参入により小規模業者打撃を受けたがEUの補助金の75%を農民への直接の支払いに使い低価格競争に持ち込むのではなく、有機栽培で食の質を上げ付加価値をつけることで消費者から高い信頼を得るようになった。世界の種子マーケットの60%を3つの企業で独占しており、食のシステムが乗っ取られる危険性がある。食を分配するだけでなく独占性を禁止し、地方のルネサンスを促すためにも新しい考え方には対価が支払われるようなシステムを構築し、小規模業者を守り、持続可能な農業のために種を確保していく必要がある。(高橋ゆうや) 

リバプールの話者は、イギリスにおいて農民は75ポンド(わずかな額のようです)しか収入を得られないと話しました。また、都市の消費者、リバプールにおいては各国の食べ物が簡単に食べられる構造となっており、それらをとても安価な値段で購入できるそうです。話者はこの構造についてもっと考えなければならないと話していました。 別の話者は、(恐らくEUの話だと思います)政治が取り組まなければいけない大きなことは独占を禁止することだと話しました。今、いくつかの企業によって食が独占されようとしています。このことのひとつの問題として、私達の口に入る物の安全が脅かされることがあります。また、何名かの話者の共通の問題意識として小規模の農業をどのようにして守るかということがありました。 主にヨーロッパ圏に目を置いた話のようでしたが、多くの問題は日本との共通点が多々あるように感じました。先日、日本においてブラジルの豚肉の輸入を規制するという報道がありました。私事としては、100グラムを100円を優に切る豚肉に何度も助けられてきましたが、このように地球の裏側の物が驚くほど安価な値段で手に入ることは構造的な問題、また話者も述べていたように口に入れるものの安全は非常に危ういと思います。この構造に一石を入れる案として、小規模の農業をどのように守るのか、どのように活かしていくのかということが、ヨーロッパのみならず私達においても重要な問題であることを再確認させられたセッションでした。(菅谷圭祐

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2日目 分科会報告 希望のための闘い -パリから1,5度へ(気候変動)

2日目の午前中一番目のセッションは、「希望のための闘い -パリから1,5度へ」と題したセッションが行われた。2015年の歴史的な合意から2年、今年開催されるCOP23では各国の具体的な施策が公表される予定だ。米国トランプ大統領が地球温暖化対策を見直す大統領令に署名したことで、世界的な取り組みが交代する恐れも大きくなってきた。
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そんな中での気候変動問題に関するセッションだった。 司会はドイツ同盟90/緑の党の共同代表を務めるシモーネ・ペーターだ。2050年に向けて野心的な目標値を掲げてエネルギーヴェンデ(エネルギー大転換)」を推進するドイツだが、今年の9月には連邦議会選挙が行われる。気候変動問題に対するトランプ政権は脅威であるが、団結して、他国は引き続き気候変動対策に取り組むことを呼びかけた。また、気候変動問題はそのものだけでなく、社会正義や民主主義なども大事な要素であるとし、最後は「プラネットBはない」という言葉で締めくくった。 最初の講演は、ルクセンブルク緑の党のキャロル・ディーシュバーグで、彼女はサプライ人事により2013年12月から36歳の若さで環境大臣を務めている。彼女は政治的な影響を与ええようと市民がさまざまな形で活動したパリ合意の意義を強調し、1,5度の現実性についても話をした。また、気候変動に関するファイナンスの問題や人権侵害などについても語った。彼女が組閣に加わることによって、欧州有数の金融センターであるルクセンブルクにおいて、ダイベストメントなどの運動を進めたり、脱炭素化にむけたロードマップ策定するなどの成果報告がおこなわれた。 続いてフィリピンからイェプサノさん。サノさんはグリーンピース・サウス・イースト・アジアで活動していて、2013年にフィリピンを襲った台風の惨状と気候変動問題を訴えるとともに、気候変動は人権にとって脅威であるが、社会正義や人権に対して責任ある行動をとらなければならないと主張した。また、 トランプ政権の気候変動問題に対する姿勢も批判し、ティッピングポイントを何としても避けなければならないと力強く訴えた。

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3人目はセネガル アフリカ緑の党連盟の事務局長を務めるCOPへのセネガルっ代表団としてかかわった経験もあるパパ・メイッサ・ディーングさんがスピーチ。彼も前の二人と同様に、気候変動問題はエコロジカル・環境の領域だけでなく、人権、民主主義の問題であると話した。新しい法的フレームワークをどのように築くことができるのかが大切であり、国際的なインスティトゥーション(制度)を構築していく必要があると訴えた。「エコロジカル・デモクラシー」という新しい言葉も飛び出した。これから注目だ。 このセッションではCop23の重要性と、国際社会が団結して気候変動問題に取り組んでいく必要性を改めて確認し、米国姿勢に対しても、エレファント・イン・ザ・ルーム(問題が大き過ぎて、見て見ぬふりをする)でいてはならないと訴えた。(緑の党共同代表・長谷川平和)

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2日目 分科会報告 化石燃料からの投資撤退(ダイベストメント)

「Divestment 化石燃料に非投資、再生可能エネルギーに投資
✳︎Divestment(ダイベストメント)  化石燃料への投資撤退
 
有名な音楽雑誌に「化石燃料を買うな」特集記事が掲載された。大手石油会社社長が「(われわれの仕事が)人々に嫌われるビジネスになった、先行きが大いに不安」と発言。アイルランドでは、203011月までに化石燃料ゼロにするDivest法が成立した。5年かけて産業構造を変える。Divestを進める民主的な金融機関が、太陽光・海上風力・再生可能な火力・蓄電の開発に投資、グリーン債を広げている。
投資をサステナブルな事業へ向けさせるために、Carbon Disclosure ProjectCO2排出量を公開させる)Platform of reinvestment(良い投資先のリスト)などが提案・実施されている。サステナブルな事業はリスクが高いか。良い投資が広がれば、あるとき一夜で流れがかわると強調していました。(尾形けいこ)

2日目 分科会報告 健康と政治

健康と政治というきわめてマニアックなテーマのためか、大会場にもかかわらず少ない参加者となりました。
そのためにお目当の分科会はことごとく満員。少し遅れてこのセッションに参加しました。
スウェーデンオーストリア、マダガスタルから3人のパネラーが参加し、オーストラリアのマーガレットが司会という構成でした。議論の中では「保険制度への評価(保守は攻撃対象にする)」や「製薬会社の問題点と漢方薬(中国の知識と表現されていました)」「先進国と途上国の問題点の違い」「都市における自然環境の保護による健康づくり」といった緑の党らしい視点が語られました。ゆったりとしたセッションで参加者と丁寧なやりとりが行われました。参加者から抗生物質への批判的な言及があるなど、現在の医療技術への批判が多かったのが印象的でした。(井奥雅樹)
 

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2日目 報告 自治体議員交流会

2日目のディナー会場に、各国の自治体議員が集まるテーブルが作られました。私の隣にはスウェーデン人のビビアンさん。グローバル・シニア・グリーンズのメンバーです。グローバル・ヤング・グリーンズの存在は知っていましたが、シニアの部もあるのですね! さて、スウェーデンと言えば、「女性の参画」。現在、スウェーデンで女性議員が占める割合は50%です。かつて、スウェーデン緑の党はその目標を40%としていたのですが、目標に達成したため50%に引き上げたそうです。その目標も達成したのですから素晴らしいですよね! 私が「日本の女性議員は全体の10%ですよ」と話したところビビアンさんのコメントは、「スウェーデンの100年前と同じね」。・・・と言うことは、私が生きてる間には50%に達しないということ? ショックに陥っているとビビアンさんは「大丈夫よ、すぐに達成できるわよ。」と、(とりあえず)慰めてくれました。

 スウェーデンで女性議員が増えた理由を訪ねると、「全ての教育が無償で行なわれるから」という答えが返ってきました。ちなみに、選挙に立候補する際もほとんどお金がかからないそうです。日本の供託金制度の話をすると「なんで払う必要があるの?」ととても不思議がっていました。

 全ての教育を国の責任で行ない、未来に貢献する人材を育成する。そして、誰もが立候補しやすい環境を整え、より開かれた政治、より良い社会を目指す。そもそもの考え方が全く日本と異なるのですね。これを変えなければ、女性議員50%を日本で実現するには、本当にあと100年かかってしまうかもしれません。

 その他にも私のテーブルにはスロベニア、ドイツ、UK、スペーン、ポーランド等の自治体議員がいらっしゃいました。井奥さんは選挙運動の様子(選挙カーやたすき姿等)の写真を皆さんに見せていました。日本はさぞかし不思議な国に映ったことでしょう。緑の党だけでなく、日本はもっと沢山の国の文化と価値観を学び、「ここが変だよ、日本」を変えていく必要があると思いました。

(千葉県成田市議 会津素子)

 

 

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2日目 平和と安全〜核の力をのぞいて〜 分科会(核セッション)詳細な報告

2日目の夕方には緑の党が主催するセッション「Peace and Security without Nuclear Power」が開催された。

アジアパシフィック緑の党連盟の運営委員を務める足立力也さんが司会をつとめた。スピーカーは、日本サイドからは園田みつこさん。彼女は6年前の福島原発事故の後、8歳の子供ともに福島から英国に非難してきた人物だ。

もう一人はポルトガル緑の党からビクトル・カバコさんが登壇した。

セッションの冒頭に、元緑の党グリーンズジャパンの国際部長、現在は民進党菅元総理の秘書をしている郡山まさやさんが映画「太陽の蓋」の紹介をおこなった。ビジュアルに当時の官邸の様子を緊迫感のある映像で伝える映画で、次の日にユースホテルの一室を借りて上映会も企画した。

園田みつこさんは、福島第一原発事故が起きた当時の緊迫した状況、当事者としての葛藤、放射能汚染に関する不確実な情報や、そして不誠実な御用学者の対応などを紹介した。

ポルトガル緑の党のカバコさんはポルトガル、そして隣国スペインの原子力事情や、原発建設に伴っておきた社会運動と成果などを紹介した。

その後、韓国、台湾、原発大国ロシアを接するリトアニアインドネシア、米国などから自国の原子力発電に関する現状が紹介され、活発な意見交換が行われた。核・原子力に対しては、各国の緑の党がグローバルネットワークを活かして取り組むことのできるテーマであり、今後も協力してこの問題に取り組んでいくことが確認された。 (長谷川平和 共同代表)

 

写真追加上は足立力也。中はUSAメンバー、下は韓国メンバーの発言風景。

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3日目 分科会報告 土地所有の問題

スコットランドインドネシア・ネパールの発言者から土地所有の問題点が議論されました。特にインドネシア熱帯雨林の伐採、追い出しやそれによる貧困化(セックスワーカー化)、ネパールの貧農問題の報告は非常に刺激的でした。インドネシアの発言者のAde Zuchriさんは時折涙ぐみつつ問題を訴えました。

その後、会場からも次々と発言。50名程度の狭い会場は満員ですし詰めの参加者でした。

今後もメールアドレスの交換などで土地所有問題について意見交換するネットワークを続けていこうということでセッションは締めくくられました。(井奥雅樹)

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3日目 分科会報告 共通材としての森林 森林保護のためにともに行動する

4人のスピーカーにより、各国の森林が抱える問題が報告されました。オーストラリアのタスマニア国立公園におけるユーカリの脆弱な森、インドネシアのパームオイルを採取するため広大に伐採される森、また、ブラジルアマゾンとポーランドにおける森林の問題とその対処などが内容でした。
人類は生態系資源に依存しています。生態系の生物多様性と弾力性を維持することが、人類社会にとって必要なことです。天然林は生物多様性に対して重要な役割を果たしているだけでなく、炭素を貯蔵することで気候変動の問題に対しても有効に働き、また、そこに住む人々に恵みをもたらします。
森林の大規模伐採や自然資源の採掘は、グローバル企業だけでなく、政府によってもたらされる合もあります。印象的だったのは、インドネシアのスピーカーが報告した、パームオイル採取のために毎年広大な森が伐採されているということです。それにより地元市民は生活の場を奪われています。
私たちはグローバルな共有財産を保護するために緊急に行動しなければならないと感じました。
(佐藤陽志)
 

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