Global Greens 2017 in Liverpool 日本派遣団ブログ

第四回Global Greens Congress in Liverpool 日本派遣団のブログです。

Global Greens Congress 2017 in Liverpool日本派遣団ブログ

3日目 分科会報告 ベーシックインカム

4月1日、無条件に一定の所得を保障するというベーシックインカムの分科会が開催されました。スピーカーを中心に丸い円を描いた座席を活用して会場全体が議論に参加してベーシンクインカムの議論を行いました。

スイスの国民投票や韓国での状況も報告されました。

「財源」「労働の意欲」「適用の範囲(難民も認めるのか)」といった論点をめぐった議論がされました。「ベーシックインカムこそが最大の経済対策だ」という主張をされる方もいました。またフランス緑の党上院議員ジョセさんからは緑の党の政策に取り入れているということが紹介されました。(井奥雅樹)

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f:id:greens-japan-apgf2015:20170402200644j:plain フランス緑の党メンバーと

3日目  リーダーズミーティング報告

 イギリス緑の党、唯一の国会議員であるマーガレットさんがホストとなり、各国緑の党の代表者が招かれ、交流した。その他、ドイツ緑の党の元代表/元国会議員で、現在はEU議会議員であるビュティコファーさん、オーストリア緑の党の事務総長も参加し、各国と交流を深めた。私たちも日本の代表としてビュティコファー氏やオーストリア緑の党の事務総長、ギリシャインドネシア、韓国、エストニア、台湾などの代表と親しく交流した。

 また、経済政策に関するアンケートを実施し、各国の代表から回答を得た。特にビュティコファー氏とはアンケートの質問に対して、詳しい意見を聞くことができ、大変有意義だった。緑の党が国際的な政党であることを改めて感じる、素晴らしい交流会だった。(長谷川羽衣子)

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3日目 分科会報告  「税の公平」行動提案

公平な税制とは何か?緑の党は公平な税制を求めている。

パナマ文書の漏洩によって、多国籍企業の多くがタックス・ヘイブンと呼ばれる税金の低い国や都市に登録上の本社を移し、税金の支払いを逃れている事実が明らかになった。このスキャンダラスな事実が大きく報道されたことで、EUでは多国籍企業に対しての批判と共に、実際に企業活動を行っている地域で正当な税を納めるよう求める動きが強まっている。企業は道路や鉄道、上下水道、電気、インターネットなどのインフラを利用して活動を行い、教育を受けた人材を活用し、様々な補助金を受けて、利益を上げている。これらは全て、政府が税金を投入して整えたものであり、企業が活動を行う国の国民が企業にインフラや補助金を提供しているとも言い得る。しかし、多国籍企業はインフラや人材を活動に利用しながら、その正当な対価である税を支払っていないのである。

では、私たちはタックス・ヘイブンを利用し、税金を逃れている多国籍企業に対して、どのようなアクションをとるべきか?

例えば、パナマ・スキャンダルの後、EU緑の党は税金逃れをしていたIKEAの前で一斉に抗議行動を行うことを呼びかけ実行した。「タックス・ヘイブン」となっている国や地域に、多国籍企業に対する規制を求める、国際連帯税を導入する、などのアイデアはあるが、実現は政治的に困難であり、可能であっても時間がかかる。市民が声を上げ、行動することが必要である。

 

コーディネーターから、タックス・ヘイブンの問題について簡単な説明を受けた後、EUの自治体議員や緑の党のメンバーから取り組みについて簡単な報告があり、またそれについての質疑も行われた。その後、グループに分かれて、タックス・ヘイブンの問題と、どのようなアクションが可能か、について意見を交わした。私は、キプロスの自治体議員の男性と、UK緑の党の党員の男性(仕事は建設業)とグループになった。キプロスの議員は、自分たちのような小さな国にとっては、タックス・ヘイブンとなって得られる税金や雇用が非常に重要であり、それを規制するなら、何か代わりのもの(工場など)を誘致したいとみなが望んでいると話していた。各グループからは、不買運動、抗議アクション、マスコミへの働きかけを行う、などのアイデアが出た。いずれにせよ緑の党を含む市民が声を上げ、緑の党が議会に入って規制や国際税を実現することが大切だと確認し、今後もメールでつながって行くことを確認し、閉会した。(長谷川羽衣子)

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3日目 報告 グローバルヤンググリーンズ 新しい体制の承認

GYG  新しい体制の承認 4/1 9:00-12:30
 これはグローバル・ヤング・グリーンズ(GrobalYoungGreens)憲章を定めるにあたって各章の主項目に対してそれぞれ改正案(追記・修正・加筆など)を事前に募ったものを投票によって決めていくセッションです。
またこのセッションは事前に登録された会員が投票権を持っておりJYG(JapanYoungGreens)は投票には参加できませんでしたが、意見交換することができました。

 議論の後に採決する際の方法としてまずGYGに参加する個人全体の多数決をとります。(賛成favor反対against棄権abstention)その後世界を4つのエリアに分類(アメリカ・アジア太平洋・アフリカ・ヨーロッパ)し、それぞれのエリア毎に決を取り最終的にそれを合算して決めるという方法がとられていました。ただどうしてもヨーロッパ・グリーンズの票が多くパワーバランスが偏っており、アンフェアであるという意見も出ていました。

 メインの憲章に対しての改定案を出した人が提言し、それに対しての賛成意見と反対意見を時間の許す限り出し合うというスタイルでした。とりわけ紛糾した議題はGYG運営委員を選出する際のジェンダーバランスでした。大きな意見としては運営委員はGYGの組織を代表するものなのできっちりと性別(ここに関しての性別とはLGBTのグラデーションにどこまで言及するかの議論も含む)の数の平等を実現すべきという意見と、運営委員はあくまでもGYGの大会などを運営するものに過ぎず、能力やモチベーションが大事であり決して多様性を代表するものではないという意見が出ました。最終的にはジェンダーバランスを保つように努力するという範囲に収まり、数まで言及するということは文言には入れないということで帰結しました。

 今回のGYGの討議で印象深かったことは非常に時間の制約があり急ぎ足での議決を迫られる中でも、少数意見をしっかり拾い、できる限り全体一致できるように議論をすり合わせようとする意識が全体として感じられ、非常に質の高い討議であったと思います。(高橋ゆうや)

写真は最終日、ヤング枠に入る長谷川羽衣子共同代表と一緒に決意を述べるヤング2人。

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4月1日 GYG 新しい体制の承認 GYGの新しい体制の承認に参加しました。

会場がほぼ満席の50人前後の人が参加しており、場内は熱気に包まれていました。参加大陸としては、ヨーロッパが多かったように思います。約50人の参加のうち、半分ほどがヨーロッパからの参加という印象です。アジア・太平洋は人数としては多くはなかったですが、台湾勢や韓国勢が積極的に発言していました。

日本もこの勢いに続こう!と思いましたが、場内のコミュニケーションは英語のみでなかなか発言にまでは続けませんでした。英語力の必要性を強く実感しました。

私達、日本勢は台湾の方たちと意志疎通をとってそれぞれの議題の投票に参加しました。 このセッションの中で特に興味深かったのが、運営委員の平等性を担保するために「男女の平等という表現」を付け加えるか否かという修正議案についての討論です(ヒアリング能力が低いため、実際の内容と違いがあるかもしれません。ご了承ください)。この話し合いでは、男女の平等という表現は果して適切か、「男女」だけではないのではないか。男女平等が重要なのはわかるが、平等性を重視しすぎると運営が機能しなくなるのではないかということが話されました。話としては日本国内でよく話される内容とも非常に近しい問題です。ただ、会議参加者および発言者の女性の割合は日本の会議に比べてとても高く、問題の中身としては日本とは良い意味で大きな隔たりがあるように感じました。 なぜ女性の参加者が多く、また発言も活発なのか、数時間のみの印象ですが、この理由には民主主義の成熟が大きく関連しているかもしれません。

会議内において、反対意見の人を小馬鹿にするような日本的野次を聞くこともなく、高圧的な態度を示す人もいませんでした。私自身、英語も話せずほぼ聞き取れず、また議題についての理解も他の参加者よりも乏しく、参加者の中では非常に水準の低いことを自覚しましたが、居づらさを感じることはなく、一緒に議題を進めていこうという空気を常に感じました。これは日本の会議において得たことのない感覚です。こういった空気感では、人はいやすさを感じ、また様々な諸問題を自分のものと考え、発言・行動するようになるのかもしれません。

民主主義の成熟を肌で感じられる良い会でした。    (菅谷)

3日目 分科会報告 権威主義・独裁主義と対峙するソーシャルメディア

「FBなどのSNSを使って抑圧的な政権に対してどう立ち向かっていくか」といった趣のものでした。ポピュリズムや差別的な言動の広がりに対してソーシャルメディアをどう使っていくかについても活発に議論されました。

大変な早口で行われたセッションで、通訳さんを介してもなお、大まかな内容しか理解できませんでしたが、おおよそ以下のような内容だったと思います。

講師はイタリアのタチアナ博士(専門がソーシャルメディアと言っていたと思います。帰国後確認します)。

彼女はdisruption(「中から邪魔をする」くらいの意味か?)という概念を用いて、SNS戦略に関しての持論を展開されていました。

印象的だったのは、SNSの限界と利点を熟知する必要性を強調していたこと。

例えばアラブの春では、SNSは人々にどんな権利があるのかを知らせるために役立った。

しかし、SNSによってアラブの春が起きたわけではなく、実際に行動を起こした人によって起きたのであって、SNSの万能論に陥らないことは重要と彼女は言います。

ごく常識的な見解のようにも思いますが、繰り返し言及されていたところから、

海外でもSNS万能論に陥りがちな論調があることが見て取れました。

弾圧を受けないネットワークをつくって

政府からの抑圧や干渉をどうかわすかといった、緊迫感ある、そして今後日本でも必要性が高まるかもしれない話題についても話されました。

そして抗議活動などをどう効果的に展開するかについても。

シリアスな情報はSNSでは好かれないので、反対を声高に唱えるよりも、

ポジティブなやり方が必要とされる。ファクトチェックは効果的、

などといったコメントが参加者からいくつもあがりました。

主にトランプ現象を意識したコメントが多かったように思いますが、

日本で私たちが日頃話しあったり、直面しているのと同様の問題意識が

世界のアクティビストの間でも同様に共有されていることがわかりました。

 

共通のツールをプラットフォームとして活用する「SNSと政治」という話題は、数ある分科会テーマの中でも課題や問題意識を世界中で共有しやすいものかもしれず、逆に言うとさほどの目新しさはなく、むしろどの国でも同様の問題に悩みながら模索を続けているのだなということに励まされました。

個人的にやや示唆的に感じたのは、「体制側は上手にフェイクニュースをつくれる人たちを擁している。そこに自分たちが対抗していくにはポジティブなものをつくろうとすること、真実や事実をポジティブに用いていくことが大事」といった話でした。

これはその場で発言した質問者なども一致した意見のようでした。

 

ポジティブなdisruption一つの例として、2008年にイタリアの教育大臣をやめさせた、イタリアの学生たちの運動を紹介されました。学生がその教育相のニセアカウント(HPやFBアカウントとと言っていたと思います)、本来あるべき教育のあり方についての発信を始めた。数週間にわたって抗議活動が行われ、広がり、辞任に追い込んだ、とのことでした。

 

余談ですが、午前のポピュリズムと民主主義に関する分科会でも、ポピュリズムにどう対峙していくかについてが中心的な話題の一つとなり、「ポピュリストを頭から排除しようとせず、尊重し理解しようという態度が大事」といったことをポーランドのパネリストが語った際にひときわ大きな拍手が上がった一コマがありました。こうしたオープンさ、お互いに尊重しあうことを重視する態度は、GGREENSに特徴的だと思います。

(石崎大望

写真下は発言する筆者。3.11震災後の日本のソーシャルメディアの可能性、危険性を紹介して質問した。

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3日目夜 自主企画報告 映画「太陽の蓋」上映会

4月1日夜9時より私たちが宿泊しているYHAリバプールにて自主企画として映画「太陽の蓋」を上映しました。3.11の東日本大震災福島第一原発事故を受けた官邸の5日後の動きを描いたものです。

日本からの参加も含め約40名で鑑賞しました。参加国は台湾、インドネシア、イギリス、イラクと多岐に渡りました。海外の方は衝撃を受けていたようです。自主上映会の呼びかけも行われ、インドネシア・イギリスから上映希望の申し出がありました。

台湾からは彼自身も参加している「ヒバクシャ」NGOの動きが報告されました。

写真上 宿の好意で上映案内も受付のところに。宿のスタッフも見に来てくれていました。(ちなみにグローバルグリーンズでも巨大なポスターを2枚貼っていただきました)(井奥まさき)

写真下 司会をする井奥と参加者のようす

(大きなテレビで上映しました。)

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3日目 分科会報告 良心的な資本主義

 Fast商品(化石燃料や自然を浪費しフェアトレードではない)をやめて、ethical (自然保護に配慮しフェアトレードによう良心的)商品を進めよう、ethical認証を広めようという新しい取り組みの紹介と提案が議論された。(ethicalfashionforum.comなど)。一方でオーガニックや良心的な商品は高く、サステナブルな生活をする人ほど現金収入が少ないので買いにくい。ethicalな事業には地域でお金を回すようにしよう。子どもたちへの教育。学校給食にオーガニックを取り入れるなど、行政がehicalな物を扱うようにさせる。Ethicalな店を地域で紹介、Ethical award賞を与えるなどの取組みが提案された。(尾形けいこ)